株式口座を開設したけどどうやって銘柄を選べばいいのかわからない。はじめたばかりの頃にかならずぶつかる問題です。
大事なのはやみくもに銘柄をさがさないこと。まずはあなたが株式投資を行う目的と目標リターン(利益)を決めることが重要です。
目的と目標リターンさえ決まれば、あとは会社四季報を使って銘柄を選ぶことができます。本記事では四季報を活用した株式投資の銘柄選びの方法をご紹介します。
株式投資のスタイルを決めよう

こちらの株式投資の基本に関する記事でも書いていますが、まずはじめに目的と目標リターンを決めて投資のスタイルを定めることが重要です。
あらためて投資スタイルについて簡単にご紹介します。
運用期間別の株式投資スタイル
・短期(~数日):株価の細かい値幅ねらい(デイトレード)
・中期(~5年):株価のおおきな上昇ねらい。配当はおまけ程度
・長期(5年~):長期の配当ねらい。いつか売るときには値上がりも期待。
この記事では、ぼくのおすすめする投資スタイルである『中期的に(~5年保有)数倍のリターンを狙う』場合の銘柄選びについて説明していきます。
一度スタイルを決めた後はその考え方を貫き通していてください。
買うときも売るときも自分の軸をもっていないと、まわりの情報に振り回され思った結果が生まれせん。これは断言できます。
では、投資スタイルを決めた後はどうやって銘柄を決めるのか?
答えは会社四季報に書いてあります。
※仮にあなたがもし、長期的に毎年数%の配当を得ることを目的としているなら全くちがう選び方になります。これはまた別の機会にご説明します。
会社四季報を読む!
銘柄を選ぶときにはかならず会社四季報を活用しましょう。会社四季報とは、東洋経済新聞社が発行する日本の上場企業の情報がすべて載っている本です。
株式投資家のバイブルのような存在で、毎年4回、3,6,9,12月に発売されます。四季報にポジティブな内容の記事が載った企業は翌日には株価が跳ね上がることがあるくらいのとてつもない影響力をもっています(逆もあります)。
以下、四季報を発行している東洋経済新報社のHPより引用した説明です。
『会社四季報』は、会社の業績予想を中心に、所在地や財務情報や株主など、会社を知るうえで欠かせない重要な情報をコンパクトにまとめたハンドブック。国内の全上場企業を網羅、株式投資、ビジネス、就職には必携。
東洋経済オンラインより引用
発売当日のうちに目をとおしておかないと株価上昇に乗り遅れるおそれがあるため、できる限り一日で読み切ります。
ちなみに電子版もありますが、以下の理由から紙版を強くお勧めします。
会社四季報の紙版をおすすめする理由
・電子版のスクリーニング機能は有望企業を見落とす可能性があり
・紙版の方が効率的。一目で読みとれる情報が多くデータ読み込みの必要なし
・全ての銘柄に目を通すので思わぬ良い銘柄にであえる
・紙版のほうが過去の四季報と比べ安い
10cm位の厚みがありとても読みごたえがあるため、効率的にチェックしていく必要があります。四季報でチェックすべき情報は以下です。
企業の時価総額
一番はじめにチェックする項目です。
四季報の編集時点における、各企業の株価×発行株数であらわされる数字です。この数字が100億円以下、高くても300億円以下を目安に銘柄をチェック。理由は簡単、安いほうが上がりやすいからです。
例えば 2018年10月時点の最新の四季報では、日本を代表するトヨタ自動車は時価総額 23兆円です。もうわけが分からない規模の金額です。
で、時価総額 100億円の会社というのはトヨタ自動車の2,300分の1の規模です。驚きの差。
この点はすごく大事で、小さいということはこの先さらに成長する余地があるということです。ということは、会社規模に比例する株価も上がりやすいということ。
感覚論ですが、この先トヨタ自動車が2倍3倍の規模に成長するよりも、トヨタの2,300分の1の企業が10倍、20倍に成長する可能性のほうが高いと思えませんか?
株価トレンド
2番目にチェックする項目です。
株価が上下しておらず横ばいの状態銘柄を探します。つまり、目をつけた企業の株価がまだ値上がりをしていないかを確認します。
なぜなら、横ばいの状態というのはそこから値下がりするリスクが低く、材料さえそろえば一気に株価が上昇するポテンシャルがあるからです。
逆に、値上がりしている株を買ってしまうと今後の値上がりは期待できないどころか、値下がりしてしまうリスクが高いです。どんなに欲しい株でも、値上がりしてしまっているものは買わないでください。

以上、まずは時価総額と株価トレンドだけをみてサーっとスクリーニングをかけ四季報のチェックをドンドン進めていきます。
そして気になった企業が出てきたら以下の項目をさらにチェックします。
材料記事
チェックしている企業の事業業績に影響しそうな特記事項が書かれています。100文字前後のボリュームですが、ものすごく濃い情報がかかれています。
いくら時価総額や株価レンドが横ばいになっていても材料がないものの株価は上がりません。この情報だけで四季報発売の翌日に株価が高騰する者が出るほどのとても重要な内容です。
財務情報(営業利益などの実績と予想値)
企業の業績について、直近の決算結果と今後の予想値が記載されています。
予想値では、その企業が対外的に発表しているものと、四季報が独自の調査をもとに予想したものの2つが書かれています。
チェックポイントは以下の点です。
・業績の数字が年々成長しているか?
⇒業績が成長していることが株価上昇の大前提です
・過去から急激に業績が回復していないか?(俗にいう V字回復)
⇒株価が急騰する要因になります
・企業開示値と四季報予測で大きな差がないか?
⇒四季報値のほうが業績がいい場合は株価上昇の要因になる
その他のチェック
その他も以下の項目をチェックすることを推奨します。
・現金、自己資本比率
企業の財務健全性を見る指標。現金は多いほど、自己資本比率は40%以上が目安になります。
・大株主
株主の名前もなかなか重要です。
その企業の役員以外に”五味大輔”さん、”Oakキャピタル”などのプロの名称が株主に入っていると今後業績の拡大が期待されます。確認は目安程度でOKです。
・PER、PBR
株価の割安性を確認できる指標。PERは一株当たりの利益をあらわし10倍前後、PBRは一株当たりの資産をあらわし1倍未満が割安の目安。
一般的な本ではこの指標を重要視する説明が多いが、今回説明している投資スタイルでは参考程度でよい。
興味をもった銘柄をさらに深掘り
以上の方法で会社四季報の中に気になる銘柄を見つけたら、企業のHPをみたり、実際に近くにお店があるなら訪ねてみるなど、できる限り生の情報を集めます。
企業HPでは、“IR情報”というような名称で株主宛に情報が整理されています。決算のプレゼン資料やニュースリリースなどをもとに四季報では得られない情報を探ります。
その中でもこの株なら一生付き合える、と思う銘柄を絞り購入へと進みます。
株を購入する際はタイミングが重要になってきます。購入時にチェックする点については、また別の記事でご紹介します。
まとめ
以上、株式銘柄の選び方についてご紹介しました。この方法をつかうことで有望な銘柄を効率よくチェックすることができます。ぜひお試しください。
・会社四季報をチェック⇒個別に調べるの流れをつくる
・会社四季報は紙版で購入する
・時価総額、株価トレンドをまずチェックする
なお、会社四季報は、一般発売日よりも1日早く自宅に郵送してくれるので定期購読を絶対におすすめします。もちろんぼくは定期購読を申し込んでいます。
まずは試しに1冊というときにはこちらをどうぞ。
それでは。